費用の内訳

ハウスメーカーと宮内建築の費用を比較

「伝統構法で一点ものの家づくり」と聞くと、高くてとても手が出ないのではないか? と思う方も多いのではないでしょうか。

今は建て主さんとの顔の見える関係で、伝統構法の家づくりをしていますが、20年ほど前までは、宮内建築はハウスメーカーの下請け仕事もしていました。なので、ハウスメーカーの家づくりがどんなものが、よくわかります。同じ価格帯で比べてみると、ハウスメーカーの家よりも伝統構法の家の方が、建てた人に還元されるものが大きいということを経験上よく知っているのです。

「30坪で2500万」、つまり坪80万クラスの家について、「宮内建築の在来工法」プランの事例と一般的なハウスメーカーの事例とで、比較をしてみましょう。通常、工事費は設計料と別に考えますが、住宅メーカーでは設計料は別にはとりませんので「宮内建築の場合」でも、工事費+設計料とを合わせて2500万の事例を選びました。

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矢島のLiblos

宮内建築の場合

実質工事は1975万。木材費と大工手間のウェイトが大きい

graph_builder32「矢島のLiblos」の例です。実質工事費としてかかるのが、茶色〜クリーム色系で示した部分です。大工手間から雑費まで、全体の79%の1975万がこれにあたります。その内訳を見ると、79%の実質工事費のうち「大工手間」「木材」「木製建具」までが直接に木とその加工にかかる部分で、足すと40%。ちょうど半分にあたります。「材積」といって、家を構成する部材のうち、木材の体積が多いのが、宮内建築の特徴です。


一般的なハウスメーカーの場合

家づくりに直接かかわらない経費が2割を占め、
実質工事は1425万。宮内建築の7割程度。

graph_maker3まず、宮内建築の事例にはかかってこない経費がブルー系で示されています。「営業経費」「研究開発費」「モデルハウス」「広告宣伝費」など総額で550万かかっています。これは、あなたの家づくりにでなく、ハウスメーカーのつくる家という「商品」を開発し、展示し、世の中に広めていくために使われています。

「下請けマージン」が21%とあります。ブルーの経費を除いた2500万のうち1950万が工事金額となり、そのうち21%の525万が宮内建築の「諸経費」にあたるので、実質工事費として使われるのは、1425万、宮内建築の例の72%です。木材の材積や大工手間が少ない分、新建材やプレカットといった工業製品でまかなうことで実現しているのでしょう。

両方を経験している宮内からの一言

cost_1工務店経営としては、宮内建築の場合の諸経費と、ハウスメーカーにおける下請けマージンとは、そうかわりありませんが、下請けの場合は、リスクもないので、安定はしていました。

しかし、すべてが仕様通り、マニュアル通りに進んでいくので、工夫すらできません。建て主様と直接のやりとりになっても「要望を聞く」わけにはいかず、「個別の要望」への対応は、能力的にはできても、することを許されない。その空しさ、せつなさを味わった時に、ハウスメーカーの下請けをやめました。

「住む人が求めるものを、作る」という大工本来のミッションをを発揮できないのは、なんともさびしいことです。

宮内建築のメニューの比較

「家づくりの費用とメニュー」のページでは、次のような基準を示しました。

メニュー内容坪単価
宮内建築の在来工法架構は大工手刻みによる木組。壁はボードに漆喰塗り仕上げ。(プレカット金物接合による一般の在来工法とは違います)[ 坪70万〜 ]
土壁プラン壁をボード仕上げから、蓄熱性、調湿機能にすぐれた土塗り壁に。湿式工法となるので、工期が少し延長。[ 坪80万〜 ]
プラス石場建てプラン木組み、土壁に加えて、足元の仕様を柱を基礎に立て、地面に固定しない「石場建て」に。メンテナンス性、想定外の大地震に対応できる変形性能により、長寿命性がさらにアップ。[ 坪90万〜 ]
プラス4寸角挟み梁プラン金物を使うことなく、広いスパンでの空間を実現できる、宮内建築オリジナルの特許工法。[ 坪100万〜 ]

「家」をどこまでのタイムスパンでとらえるか?

宮内建築でも、在来工法仕様に加えて、土壁、石場建てと、手のかかり具合で坪単価は上昇していきます。これをどう解釈するかについて、ひとつお伝えしておきたいことがあります。

坪単価をランクアップすることであなたが得られるのは「より長寿命な家」です。どこまで長持ちさせることを考えるのか? というのが、プラン選択の判断基準になります。かけた工事費が、何年もたせられるのか?次の世代に家を引き継ぎたいのか?

平成8年に国土交通省が試算したデータによれば、日本の住宅は平均築26年で建て替えられているそうですが、在来工法プランでも、しっかりとした木組みと無垢材の家ですから、生涯住み続けられることは保証します。

話は社会的資産というところまで、広がります。子ども達の世代、あるいは、直接血縁の者が住むのでなくても、それが社会的な資産として次世代に残り、中古住宅として住み継がれていくことまで想定するのであれば、より長寿命なプランを選ぶことをお勧めします。「次の世代に建て替えの負担をかけない」ために、今、坪単価10〜20万のアップを選択する、という考え方もあるでしょう。

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「記憶を継ぐ家」の野口さん一家のように、将来「平成の古民家」と呼ばれることをめざして「石場建て」を選択したご家族もいらっしゃいます。ストーリーをこちらにまとめましたので、参考にしてみてください。