「この敷地なら、丸しかない」という、設計の川端さんの発想から生まれた丸い家。当初は十二角形を考えていたのですが「どうせならと円に」と。それが、この家の強烈な個性となりました。
まあるい家は完全な円ではなく、背面は円弧の弦になっています。正面から見ると、レンガタイル、木、黒い塗り壁と三層になっていますが、木の部分から上が生活階です。
階段で家の裏側の弦にアプローチして、家に入ります。家の背面のすぐそこは、裏山になっています。
円の中心核の部分。ピンク色の壁がまあるく弧を描きます。放射状に梁が入った上部は、家の裏側からアプローチできるロフトになっています。
リビングダイニングからキッチンにつながる空間。大洋を航海する船室のようでもあります。
円弧の裏側の弦の部分に、玄関があります。奥の板戸が子供部屋。その上面には、ロフトの一部を仕切って作った瞑想部屋があります。
瞑想部屋の照明。壁に幻想的な影をもたらします。
玄関右手の板戸をあけると、子供部屋です。壁面は空色で、板張りの天井にはお日様の形の楽しい照明をつけました。
玄関をあがった部分に、壁面いっぱいの収納棚。円周部分はすべて窓になっていて収納はもうけられない分、円周のバックヤードにあたる弦側で収納をがんばります。写真奥、玄関左手の板戸から、キッチン裏の収納につながります。
円弧の中には間仕切り壁はあっても、天井までは立ち上げていません。直線と曲線の木が、白壁をバックに織りなす景色が面白いです。
所につながる扉をあけた、台所バックヤードの右手にある棚。ピンクのまあるい壁の裏側にあたるので、棚板も必然的に曲面を描きます。大工泣かせです!
台所のバックヤード左手に洗濯機置き場。
北側の裏山の面した下屋部分にもうけた、板の間と小上がりの畳敷きのある寝室。押し入れを作れない分、畳の下に収納をもうけました。
水中乾燥材の美しい木肌のカウンターのあるシンプルな脱衣洗面所から、白を基調としたお風呂場へ。
まあるい家の形状に合わせた、曲線的な浴槽を選びました。ガラス質で黒にヘアラインの入ったデザインのシャープな壁で、白い空間を引き締めます。
階段の踏み込み面。キリンの模様に割ったタイルを不規則に割り付けました。
タイル部分と木部との取り合い。
外に面した窓はヒンジで外側に開放できるようになっています。
陶芸家のご主人とご家族。