石山寺近くの家ということで、周囲の光や景色を取り入れて暮らすことができるように、ガラス張りのリビングを二階に持ってきました。バルコニーと一体になった家の外観の美しさに、石山寺を訪ねる人が足を止めて見とれるほどです。特に夜、天井裏の無垢材がライトアップされる演出は抜群です。

玄関側は、白壁と木とで構成される落ち着いた外観となっています。

南面のバルコニー側にまわると、様子ががらりと変わり、ガラスと木で構成された、室内と外との自然が一体になった空間となります。屋根裏が室内外を通してひとつの面になっています。

二階のバルコニーに面して開かれたリビング。高い部分にガラスを積極的に使うことで、室内に居ながらにして、石山寺境内の緑や空と、いつも一緒に在る暮らしが実現しました。

開放的なリビングの一端に、格子壁にゆるく囲まれたシンプルなオープンキッチンがあります。径の大きい木の木目の美しい板を側板に使いました。

2階のバルコニー側から玄関側を見たところ。片流れの天井の斜めのラインと、太い梁、おおらかに組まれた格子壁、細みの階段まわりの手すり、障子など、さまざまな太さ細さの、直交するデザインとが織りなす、シンプルでありながら、リズミカルで豊かな構成。

一階へとおりていく階段は、宙に浮かんだような軽やかなデザイン。お風呂とトイレは、ひとつの木の空間にまとめました。

バルコニー側からの夜景。

バルコニー脇に縦に通した板のスリットから明かりが洩れるのが美しい。