京町の家:四寸角挟み梁工法

水中貯木材による
四寸角挾み梁工法の家

「石場建て」と「板倉工法」という、地震に対する構えをして矛盾するこの二つの要素を「水中乾燥材による四寸角挾み梁工法」で融合させ、耐震性を確保するためにを研究開発しました。2008年11月9日放送の「情熱大陸」に取り上げられました。

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間口が小さく、奥行きが長い敷地に建つ、町家風の平入の家です。通りに面した表玄関と、建物脇を奥に入った妻面にある通用口とがあります。

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わずかにむくりの入った、美しい屋根。雨樋は銅製です。

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模型で見てみましょう。石場建てで、金物を使わない板倉構法を実現するために編み出した「四寸角挟み梁工法」を、最初に実現したのが、この京町の家です。足元付近と桁付近、四寸角材がサンドイッチのように重なった構造に注目してください!

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建前の写真で、構造をご覧ください。このように、四寸角を挟み合って組み合わせることで、床面まで届く柱でなくても、耐力が出るだけでなく、巨大地震で傾いた時に、ギリギリまで倒壊しない素晴らしい粘りを発揮してくれます。

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四寸角の角材、込み栓というシンプルな部材の組み合わせで構造体を構成していきます。間伐材利用にもなりますし、まだ実現してはいませんが、将来的にはプレカットでの量産も可能かもしれません。

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石場建ての足固めまわりの木組み。通常の足固めまわりの木組みと比べると、組んだ姿は複雑に見えますが、ひとつひとつの仕口の刻み加工は、シンプルです。

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うなぎの寝床のように奥に長い間取りですが、広いスパンの間に柱がほとんどないのは、四寸角挟み梁工法だからこそです。

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つくりつけの台所。持っている調理独具や食器の寸法に合わせて、かなり吟味を重ねて作りました。

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障子を多用していますが、桟に開け閉てするための凹みや出っ張った取っ手をつけることなく、桟の枠の内側に手がかり様の竪桟をつけています。また、低いところ、高いところを部分的に開口できるようにすることで、夏の蒸し暑い時に気流をつくり、通風を確保しています。

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通用口玄関。四寸角挟み梁の石場建てで高床になっている様子が、よく分かります。

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