間伐材利用として宮内建築で考案して特許も取った「挾み梁工法」と、伝統構法の真髄ともいえる独立基礎の上に柱が建つ「石場建て」を採用しながらも、モダンでスタイリッシュな家です。

金物を使わない木組みでここまで開放的な空間を実現する方法は、板倉構法・四寸角挟み梁工法・石場建ての組み合わせしかありません。

「飯道山を見ながら暮らしたい」という施主さんの要望を生かす。それがこの家の肝となりました。室内と広いデッキとが、ひとつながりになった一体感がたまりません。

三角と四角とが織りなすリズムが、スタイリッシュな外観を成しています。

横から見たところ。挟み梁が積層していって、屋根の勾配を作っています。足元は、礎石に柱を直接置く「石場建て」です。

家の隅に、床に埋め込んだ浴槽があり、お風呂に入りながら素晴らしい眺望を満喫できます。

これが四寸角挟み梁工法。四寸角の梁を向かい合わせ、両方からつなぎ材を挟み込みます。高さ違いで二組の梁がつなぎ材を挟むことを、どんどん繰り返していくことで、柱を立てることなく、梁材を延長していくことができます。耐力を保ちながら、長いスパンを飛ばせるのが、利点で、伝統木造で広い開放的な空間を造り出すのに効果的な方法です。

開放的なリビングにメイスンリーストーブと、リビングに面しているオープンキッチン。

梁から三本レールの鴨居を吊り、障子をたてて囲った四畳半の和室。

障子を閉めると、このように行灯になります。

広いデッキと、深く出た軒が、雨風から家を守りつつ、冬の陽射しを取り込みます。

夜、ライトアップすると、ガラス越しにライトアップされた挟み梁の木組みが綺麗です。